あかるい月のした

坂の上に住んでいて、月が明るく見えます。

舞い込む

空き部屋に机と椅子を移動させて、ちいさな簡素な書斎を設けてみた。使ってないコースターの上に、温いコーヒーを注いで啜りながら、今日の日記をこうやって書いてみる。


駅前でバスを待っていた。私は随分と視野の狭い頭で、しばらく生きてるなとハッとなった。好みの服装、メイクやインテリア、好みの文体、音楽、そういうものを纏うことに気を遣いすぎて、いつのまにか固く重くなってきた、新鮮さが無くなってきて、神経質にもなっていた気がする。なんと、「神経質」。書いてみて俯瞰して、ちょっと引いている。本当は、どこまでも自由で楽しいものなのにな。


丁度良いじゃない、春が来るので、そういうの一旦和らげて、できる限り薄めてみよう。この春からは、透明になりたい。小さな決意。素朴な生活をいつくしんで、31歳を迎える今年、そんな感じでいいんじゃないかな。


身軽になれた気がする。よかった。そして夕方の冷えた風が、舞い込んでくる。ツンと、昔の記憶が呼び起こされる。私は、温度と光で、そのときを憶えている人間らしい。